「ピンクとグレー」コミカライズ版感想
※ネタバレ含みます。
ピンクとグレーは原作小説、映画と見て、今回マンガを読みました。
大胆な再構成と設定変更がされ、大幅にオリジナルストーリーが加えられていた映画とは対照的に、
このコミック版は加藤シゲアキ完全監修で、構成もセリフも何もかもがとにかく原作に忠実。
付箋の向きまで注文をつけたとか(元はどうだったんだろう)
表現が少しマンガには硬すぎるのでは?と思うところもあるほど。
なんなら原作に描かれていないところまでも、シゲの中のイメージやモデルとなったものに忠実。
カレイドスコープ、鶏卵のリキュール、礼拝堂。
小説ならではとも思われた叙述トリックも完全再現。
章立ての飲み物もしっかりと。
まるで小説の中の映画がごっちの意識をなぞったように、シゲの中のイメージをトレースしリテイクした作品になっており大満足。
死体処理のシーンも、もちろん完全原作通りとはいかないけれど、イメージ通りにビジュアライズされていてよかったなぁ。
個人的なイメージから言っても、ごっちとりばちゃんの造形、イメージ通りだった。
りばちゃんの表情や髪型が次々変わっていくのもすごい。
伏線だったり、同じものが複数回出てくる箇所も視覚情報があるとよりダイレクトに前のシーンと繋がってアハ体験。
ラストシーンの描写、特にパレードの絵が素晴らしかった。
白黒だけど色鮮やかに見えた。
原作単行本の表紙にもどこか似ている。
ここからはマンガの感想でもあり、今回改めてストーリーを追って感じた原作の感想でもある。
ごっちの顔や雰囲気はイメージ通り。
でもごっちの顔を想像するときにどうしても私の中から離れないのが玉◯宏。
なんか「その先へ」をすごくMステで歌っていそうじゃない??まぁそこだけなんだけどね。
それにごっちはもっと二枚目だよねきっと。もっと若いし。
でもその先へを歌っていそう度ではダントツナンバー1だわ。
レビューでBLっぽいって書いている人もいたなぁ。
マンガのレーベルのせいもあるのかも。
これもまあ言いたいことはわかる。
りばちゃんの恋愛が一度も具体的に出てこないのがなんとなく引っかかった。
BLとかゲイっていうわけではなくてこの作品にりばちゃんの恋は必要なかったんだな。
そのポジションにあるのは友情、それも相当に特殊な友情で、
それこそ「それは恋とか愛とかの類いではなくて」なのかな~。
あと恋愛があまり描かれないというところで思ったのは、
ごっちが雑誌のインタビューで語っている冷めた恋愛観ってシゲが言っていることと結構近いなぁと。
恋愛の優先順位は仕事や友達や趣味に比べて高くないとか、好きになってしまったから義務感で恋愛するとか。
前者はまだしも後者は1mmも共感できないので強烈に印象に残っている(まぁ、私なんざに恋愛で共感されても困るとは思うのですが…)
雑誌でのお決まりの受け答えとして描いてはいるけど、結構シゲの本音なのでは?と思っている。
あ、原作読んで疑問に思って、今回やっぱりわからなかった点。
ごっちが死んだ日の日中、りばちゃんは何をしていたのか?仕事?
ただごっちが死ぬ時間を作るためにりばちゃんを外出させたかっただけで意味はないのかもしれないけど、
ならここまでの感じだと何かしら一言説明が入りそうな気がしていて。
何か意味があるのかな?と思ったけど、わからない。そう思わせるのが狙い?
そういえば最近ひときわシゲの左利きにハマって左利きマニアになりつつあるので
マンガの2人の利き手をチェックしたが、2人とも右利きみたいだ。
最後に、直近で読んだ次作「閃光スクランブル」と比べて。
「ピンクとグレー」では、芸能界はりばちゃんにとって向いていないのにズルズル続けている場所だった。
ごっちの「やるしかない」ことは芸能界で生きることではなかった。
だけど「閃光スクランブル」で亜希子はステージに立ち続ける道を選んだ。
2011年の加藤成亮と2012年の加藤シゲアキの見た景色の違いは歴然。
「加藤成亮と加藤シゲアキ」って言われても最初は???だったけど、
今ではこの概念が直感的にわかる。江戸と東京くらいの違いがある!
ピングレが書かれてから5年半。
23歳だったシゲは29歳になった。
21歳だった私は26歳になった。
6人だったNEWSは4人になった。
デュポンはなくなった。
今夜もピングレのことを考えすぎて眠れない。
(そういえば一蘭って私が知っているのは丸井の近くにあるやつで、スペイン坂にもあるみたいだけれど、前はここではない場所にあったのだろうか?調べたけどわからなかった。取り壊されたビルは純粋に唯の比喩?実在するのか気になる)
- 作者: 藤崎みお,加藤シゲアキ(NEWS)
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/12/21
- メディア: コミック
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